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会社情報
小さくて強い会社を目指して
私たちが考える「小さい会社」とは、規模のことではありません。ミニマム=必要十分であり、身の丈に合った経営を指します。会社の大きさよりも、お客様のニーズにどれだけ寄り添えるかを大切にし、50年間で国内外2000社と信頼を築いてきました。これは、社員一人ひとりが細やかで質の高い対応を続け、多くの処理機メーカーや関係者とともに資源プラに真摯に向き合ってきた結果です。私たちはこれからも誇りを持ってミニマムであり続け、国内外の多くのお客様とともにプラスチックリサイクルを広げていきます。
50周年のご挨拶
松下電工株式会社の化材代理店として創業し、オイルショック後に築地市場で始めた発泡スチロールリサイクルは、年間8万トン規模の全国資源プラスチックリサイクルシステムへと成長しました。さらに、当社が輸出してきたリサイクルプラスチックの累計実績は200万トンを超えました。
これもひとえに、全国2000社以上のお客様、リサイクルシステムをご利用の皆様、仕入先や協力会社の皆様のご支援の賜物です。
心より感謝申し上げます。
築地市場から世界へ広がったリサイクルの歩み
50年前、発泡スチロールが山積みとなり廃棄されていた築地市場の一角に、ようやく機械を設置し、発泡スチロールインゴットを有償で買い取る仕組みを開始しました。当時は「どうせ機械を売るための手段だろう」「長続きするわけがない」と言われました。その頃、まだ「リサイクル」という概念すら浸透していなかったのです。
しかし、私たちは諦めずにこの仕組みを育て、お客様と共に発展させてきました。その道のりは決して平坦ではなく、突如として訪れる海外の輸入制限や経済ショックにより、1万トン以上の在庫を抱えたこともありました。また、為替や価格の急落で経営が苦境に立たされたことも幾度となくありました。
そのたびに、全国のリサイクル推進企業の皆様からの励ましと協力を受け、仕組みを改善しながら困難を乗り越えてきました。築地市場から始まり、世界へと広がったこの発泡スチロールリサイクルを、私たちは 「J-EPS recycling®」 と再定義し、日本発祥の発泡スチロールリサイクルシステムとして、お客様と共有しています。

「資源プラスチック®」と「潔いリサイクル®」
2017年、中国の再生資源輸入規制「ナショナルソード(国門利剣)」が発表され、世界のプラスチックリサイクルの流れは一変しました。
当社が長年提唱してきた 「品質を重視したプラスチックリサイクル」「他国に負担を押し付けるような再生プラスチック輸出は持続しない」 という理念が注目され、これを具現化するキーワードとして 「資源プラスチック®」 が業界の共通認識となりました。
2018年には、志を共にする同業者、コンサルタント、処理機メーカー、お客様と共に 一般社団法人資源プラ協会 を設立。資源プラにおける法務、技術、ビジネスのアドバイスを行う専門機関として、2020年に制定された 日本のバーゼル輸出基準ガイドライン の策定にも積極的に関与しました。
また、複雑化する現代において、 「経済合理性と技術的妥当性の両面からプラスチックの行先を考えるべきだ」 という視点を重視し、「潔いリサイクル®」という新たなキーワードを発信しています。



持続可能なリサイクルのために
資源は限られており、人も設備も資金も無尽蔵ではありません。本当に持続可能なリサイクルシステムを築くためには、静脈産業の関係者だけでなく、 国民一人ひとりの意識の向上が不可欠 です。資源という視点を持ち、発生抑制と再資源化の両面で取り組むことが、すべての人の課題となります。
日本発祥の発泡スチロールリサイクル「J-EPS recycling®」、第三のプラスチック「資源プラ®」、経済合理性と技術的妥当性でプラスチックの行先を考える「潔いリサイクル®」。
これらを旗印に、発泡スチロールリサイクルシステム、資源プラ輸出、専用リサイクル処理機の販売・メンテナンス、法務や技術情報の発信を通じて、連携する企業や団体とともに お客様へのサービスをより強化していきます。
未来へ向けて
激変する時代の中で、パナ・ケミカルは社員一同、気持ちを新たにし、資源プラ事業を核とした 「資源プラ専門商社」、そして 「小さくて強い会社」 を目指し、これからも邁進してまいります。
代表取締役 犬飼健太郎

パナ・ケミカルの原点「士魂商才」
これは、私が入社したばかりの頃に経験した、築地市場での発泡スチロールリサイクル現場作業修行の話です。
当時、入社した社員は必ず、発泡スチロールリサイクル処理機を納入した現場で作業を体験することが課せられていました。私も例外ではなく、築地市場のリサイクル現場で3日間の研修を行いました。
発泡スチロールの山を破砕機に投入し、インゴットを作る。早朝から作業を続け、終わる頃には体が動かなくなるほどの疲労を感じました。
しかし、3日目の終わりに父からかけられた言葉が、今でも忘れられません。
「お客さんの大変さがわかったか?」
私は、経験したことを話そうと駆け寄りました。しかし、次の瞬間、父は突然怒鳴りました。

「お前は何を学んだ?今、お前は出来上がったインゴットを踏んだんだぞ!これはお客さんが一つひとつ一生懸命作った商品であり、我々の商売の糧だ。それを足で踏むなんて、お前は何もわかっていない!3日間、お前は何をしていたんだ!」
その瞬間、私は自分の未熟さを痛感しました。私たちの仕事は、単に発泡スチロール処理機を販売することではなく、お客様がインゴットを製造し、それを適正な原料として買取り、輸出することです。だからこそ、 工場を持たない私たちができることは、お客様の事業に寄り添い、その価値を最大化すること。 その姿勢こそが、パナ・ケミカルの原点なのです。
父が大切にしていた 「士魂商才」 という言葉。商売人である前に、誇りを持って仕事に向き合い、誠実にお客様と向き合うこと。この精神こそが、パナ・ケミカルの支えであり、私たちはこれからも この信念を大切にしながら歩み続けます。
潔いリサイクル®を推進
